当社は、フィーチャーフォン、スマートフォン等のモバイル端末向けソーシャルゲームの企画、開発及び運営を行う「ソーシャルゲーム事業」を主たる事業としております。
ソーシャルゲーム事業は、SNS運営事業者が提供するプラットフォーム(注1)をとおしてSNSユーザーへソーシャルゲームを提供しております。SNS上において提供される当社のソーシャルゲームは、ユーザーの趣味や余暇の充実を図るとともに、ソーシャルグラフ(注2)の活用によりSNSユーザー同士のコミュニケーションを一層拡充・深化させることを目的としており、グリー株式会社が運営するSNSである「GREE」を中心に提供を行っております。
ソーシャルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機のタイトルとは異なり、ユーザーが短時間で気軽に楽しめるゲームであり、月額基本料無料、一部アイテム課金制(注3)を採用するタイトルが主流となっており、当社が提供しているソーシャルゲームにつきましても同様の仕組みでサービスを提供しております。また、開発に際しては、「オリジナルタイトル」の制作だけではなく、アニメや漫画等の、ユーザー認知度の高いキャラクター等のIP(注4)を有する他社との協業により、IPを利用したソーシャルゲームの制作も行っております。
(注)
当社がソーシャルゲーム事業を行うにあたり、安定的に収益を得られるタイトルを提供して行くために取り組んでいることは、以下のとおりであります。
ソーシャルゲームは、これまでの家庭用ゲーム専用機向けタイトルとは異なり、サービスの開始後もユーザーの動向に合わせてゲーム内容の改良を常に行っていくことが必要となっております。当社は、DAU、ARPU、ARPPU(注)等、ユーザー動向を示す各種指標を取得することによりユーザーの動向を把握し、各種施策を適時に実施することにより収益向上に取り組んでおります。
(注) DAU(Daily Active Users):1日においてサービスを利用したユーザー数
ARPU(Average Revenue Per User):累計登録者1人当たりの売上高
ARPPU(Average Revenue Per Payed User):課金ユーザー1人当たりの売上高
当社は、企画、開発及び運営に至る主要なプロセスを自社で一貫して行うことにより、ソーシャルゲームの開発及び運営のノウハウを蓄積してまいりましたが、多くの累計登録者数を抱える既存タイトルにおける過去の施策とその結果を開発部門全体で共有することにより、効果のあった施策を他のタイトルにも応用する体制をとっております。また、新規タイトルの開発に際しても、既存タイトルの運営で得られたユーザーの動向を反映しております。既存タイトルから得られた分析結果の蓄積が当社の強みであると考えており、既存タイトルの運営に反映するだけではなく、新規タイトルの開発にも反映することで、安定的に収益を得られるタイトルを継続して提供してまいります。
当社は、安定的な収益を確保するために、既存タイトルの運営と新規タイトルの開発を同時並行で行う体制を構築しておりますが、今後も優秀な人材の採用を積極的に行うことにより、この体制を強化してまいります。
オリジナルタイトルは、広告宣伝費やゲーム内で使用するグラフィックカードの制作費等を当社で負担する必要がありますが、当社に対する収益分配率は高くなります。また、当社にて一貫した開発を行えることから新規のゲームシステムを短期間で開発することができ、変化の激しいユーザーの嗜好へ対応しやすくなります。このため研究開発やノウハウの蓄積といった意味でもオリジナルタイトルの開発は重要であると考えております。
有名なアニメや漫画等の有力IPは、既にユーザー認知度が高いことから、サービスの開始直後から一定の登録者数を見込むことができます。収益分配率については、IP保有会社への分配があるため、オリジナルタイトルと比べて低くなりますが、IP保有会社と各種メディア等での広告宣伝や、ゲーム内で使用するグラフィックの制作等を両社で協力することにより、プロモーションコストを抑えることが可能であるため、今後も継続して取り組んでいく必要があると考えております。
当社は「GREE」を中心とする国内SNSにソーシャルゲームを提供しておりますが、業容拡大のためには、国内だけではなく、今後の成長が見込まれる海外市場へ当社のソーシャルゲームを提供していく必要があると考えております。このため、「App Store」や「Google Play」等のプラットフォームを利用して、当社のソーシャルゲームを海外へ提供していく必要があると考えております。
当社は、上述の取り組みにより、多様化するユーザーの趣味、嗜好に合致したソーシャルゲームの企画、開発及び運営を進めることにより、ユーザーのライフタイムバリュー(注)の更なる向上を目指してまいります。
(注) ライフタイムバリュー(顧客生涯価値):企業と顧客が継続的に取引を続けることにより、顧客が企業にもたらす利益